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老いの繰り言(その1?)

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何かの折に、たとえば、たまたまテレビで見ていた映画や、たまたま耳にしていた楽曲に触発されて、わが身の過去のあれこれが、ふと思い起されることがある。しかも、その思い出されることとは、どういうわけか、「懐かしい」という感懐につながるような楽しいことというよりも、「どうして、あのとき、あんなことをして/言ってしまったのだろう?」というような、悔やまれることのあれこれのほうが多いのである。 それが以前より増えたような気がする。 もちろん、楽しい思い出がないわけではない。しかし、それらは「感触」のようなものであって、はっきりとした「像」は結ばない。あるいは、像を結びそうな思い出であっても、その続きに楽しくない思い出がときに控えてもいて、あと一歩のところでその像もやはりぼんやりとしてしまう。それに比べると、「悔やまれること」のほうは、そのとき、その場所で交わされた「言葉」も、表情も、いまなお鮮明なのである。「感触」ではなく、それは「言語」で想起されるものなのだ。 老いて思い出されることは、悔やまれることばかり ……これは、どうしたものか。 しかし、 と考えてみる。 その出来事があってから数十年も経ったいま、たぶんその相手(関係者)はもうそれを覚えていないかもしれないだろうから(そう願う)、誰かとの関係で生じた出来事だとしても、それは、この私自身に固有の経験であったということになる。またそれは、「二度と同じ間違いをおかさない」というような処世訓に導くような完結した ものではなく、なお現在進行形のものである。 そうであれば、ときにヒリヒリもするようなこの想起は、好んでするものではないせよ、やはり、私自身の思考や行動の「核」をつくってきたものであり、現在も私を私にさせている契機の一つとしてあり続けているものなのだろう。そこに意味があると考えれば、それを無理に記憶から消すこともないし(どだい消せないし)、その想起から逃走することもない。 答えのない「問い」の周りをぐるぐると回り続けてきたのだから、それを続けるだけだ。 ぐたぐたと書かでものことを並べてしまった。まさに「老いの繰り言」である(お許しを!)。 その口直しに、 70歳を前にして書き残した荷風先生の言葉を引用し、この記事を結ぶとことにしたい。先生の思念にはとても及ばないと、わきまえつつ…。   「 回想は現実の身を夢の世界につれ

ワクチン接種顛末記

(記事の更新、だいぶ間があいてしまいました…)   先日( 3日前)、新型コロナワクチンの1回目接種を受けた。 市が、私の該当する「71・72歳」枠にあたる高齢者に「接種券」(と 案内文)を発送したのが5月21日(予約の集中・混乱を避けるため、年齢グループごとに分割し時期をずらして発送している)。接種券が届いた翌日、「かかりつけ医」がない私は、案内文にしたがって、市の開設している「インターネット予約」のサイトをとりあえず見てみることにした。   (1)接種の予約 1 「インターネット予約」のページにある「キーワード」の項に居住区名(できれば近くのほうがいい)を入力し、「1 回目接種」を選択して「検索」してみると、区内の「集団接種会場」のほかにも、病院・診療所(開業医)がいくつも出てきた。そのなかに徒歩圏(5分くらい)にある診療所名があった。ここで打てるなら楽でいい。 2 次に、その診療所を選択してクリックすると、接種可能な日時の一覧表が出てきて、「 ◎」記号の付いている予約可能日時が、約10日後の5月末にあった。予約のシステムを試しに見てみるだけのつもりだったが、近くで接種できることがわかったので、そのまま予約することにした。 3 接種の日時を選択し「予約」の決定ボタンをクリックすると、それで完了となり、事前に登録しておいた自分のメールアドレス宛てに「予約完了のお知らせ」メールが来た。 報道では「予約の混乱」がよく伝えられているが、居住地のこのインターネット予約システムは、なかなかよくできているのではないかと思った。もちろん、それは市の取り組みだけでなく地域の病院や診療所の協力があってこそのものだろう。 4 なお、予約した接種日の前日に「予約日の前日になりました」というメールが自動送信されてきた。接種場所、接種時間、持ち物(接種券、身分証明書、予診票)を再確認する案内であった。物忘れしがちの高齢者には、これもありがたい。 ただし、気がかりなこともある。5月末までには65歳以上の高齢者への接種券の発送は終わっているはずだが、6月3日現在、高齢者の「1回目接種率」は「 22・5%」(2回目接種率は、0・5%)と市のサイトに出ている。接種しないという選択をしたかたは別として、なかには 接種を受けたくても予約がなかなかとれないかたもいるかもしれない。また、現在、医療機関でも