LAが燃えている。
1970 年代の後半 、放浪生活をしていた私 (20代後半) が暮らした街、ロサンゼルス。 いま、その街が燃えている。 私が住んでいたのは、山火事が起きている郊外ではなく、ロサンゼルス市の中心部(ダウンタウン)だった。 その 中心部には高層ビルが並び立つビジネス街もあるが、その外れにある日本人町「リトルトウキョウ」の 、月極60ドルくらい(当時)の安アパートで暮らしていた 。 路上生活者たちの多くいる 「スキッドロウ(skid row)」とよばれる 地域に 隣接する ところでもある 。 現在、 ダウンタウンは延焼してはいないようだが、 下の 映像を見ると、周辺部から流れ込む煙に 覆われて 、太陽が出ている時間のはずなのに、ダウンタウン全体はうす 暗い (ロサンゼルス市庁舎上階から撮影されたものと思われる) 。 降灰もかなり深刻なのではないかと思われる。 上の映像の「 35秒」くらいからリトルトウキョウの街並みが映し出される。 50秒過ぎから、二つの白く、背の高い建物が見えてくるが、左は「カジマビル」(1967年竣工、鹿島建設)、右 は「 Double Tree by Hilton Hotel」(旧ニューオータニホテルLA、1977年オープン)だ。そして、その二つの建物にはさまれたところ、映像最下部に見える通り(First Street)に面して三角形の形状の三階建ての小さな建物が見えると思う。じつは、私はこの2階の角部屋に住んでいたのだ。この街で知り合った日系3世T君の叔母さんもそこで一人暮らしをして いて、いろいろと助けてもらった。 報道は、もっぱら「セレブ」たちが多く住む地域の火災被害に注目しているようだが、ダウンタウンに暮らす人びと(路上生活者を含む)の健康や暮らしも気がかりだ。どうか彼ら、彼女らのことも忘れないでほしい。 そして、今日、1月17日は、「阪神淡路大震災」から30年にあたる日。 あの光景を忘れることはない。