投稿

2月, 2024の投稿を表示しています

「ヨイトマケの唄」

イメージ
年末、お祭り騒ぎのテレビ番組には背を向けて(いや、普段からもほとんど観ないが)、 YouTubeで ドラマ「海峡」 (NHK、2007年制作)を観ていた。 日韓(朝)の現代史(日本の敗戦、朝鮮の解放)を背景にした、ひと組の男女(韓国人男性・日本人女性)の哀切な物語で、考えさせられるところの多い、とてもよい作品だった(脚本 :ジェームス三木、主演:長谷川京子・眞島秀和)。 2007年の日本(NHK)では、こんな作品を制作・放映できたんだ。日本の「いま」を思うと、ため息がもれる。   そんな思いを 引きずりながら、最近、ずいぶん昔の歌だが、 「ヨイトマケの唄」 (丸山明宏=美輪明宏、 1965年)や 「山谷(さんや)ブルース」 (岡林信康、1968年)を聴き直している。私が高校から大学にかけての頃、よく耳にした歌だ。 前者は、土木工事に従事していた(「土方(どかた)」をしていた )、亡き「かあちゃん」に対する「ぼく」の追慕の思いを、後者は、日雇い労働者のドヤ街「山谷」(東京都台東区・荒川区の一部)にくらし現場仕事にたずさわる「おれたち」の哀歓を歌っている。 最近の歌を聴くことはほとんどないが(ついていけない?)、上のような「地べたで生きる人びと」をうたう歌は、ほとんどないのではないか。   「ヨイトマケの唄」( ↓)… 「ヨイトマケ」(*)の映像が出ていたので、下の動画を選んだ。歌もなかなかお上手。 (*)「ヨイトマケ」= 「建築現場などでの地固めのとき、大勢で重い槌(つち)を滑車であげおろしすること。また、その作業を行う人。作業をするときのかけ声からいう。」(『大辞泉』)     そうそう…。 私は、定職に就いてからも腕時計はカシオの 1000円時計で満足していたクチだから、最近、ロレックスの腕時計が数百万円もする(なかには1000万円越えも)と知ってビックリし、それ以上に、その高価な時計を身に付けたくて、わざわざレンタル屋(シェアサービスと言うらしい) に金を払って借りている人たちがいるということを知って、さらに驚いた。 地に足をつけていない見栄っ張りって、なんだか哀しいよね。(←金のない老人のひがみ? 強がり?)   ところで、作家・中野孝次( 1925-2004)は、自身が『源氏物語』を読み通せなかったことについて、次のように書いている。 「おそらく王朝女流