「明日があるさ」
またまた、ブログ記事の更新に長い期間が空いてしまった。
前回の記事は2月半ばだったから、4カ月以上のあいだ、記事を書かなかったことになる。
ちょうど、前回の記事を書いたころから右膝に痛みが出始め、近所のA整形外科医院に行ったが、レントゲン写真を見て、医師曰く、「とくに問題はないようですよ」。問題があるからここに来たんだよ! 数日後、左膝も痛くなり、また医院に行くと、今度は触診もしないまま、湿布薬を出すだけ。
それで3月半ばに別のB病院で診察を受けることにした。初診で痛み止めの薬をもらったが、4月に入って痛みがさらにひどくなった(寝ていても痛みで目が覚める)。次の診察日にそれを伝えると「痛み止めの薬を追加しましょう」…。薬で胃まで悪くなるじゃないか、こんな医者では話にならんと、かかりつけ医(内科)に相談すると、C病院の整形外科に紹介状を書くから、そこで診察を受けたほうがいい、とアドバイスをいただいた。
紹介状をもって予約日にC病院に行った。K医師は両膝を触診して、「膝関節に水(関節液)がたまっていますね」と診断、すぐにその処置(水抜き+薬の注入)をしてくれた。それから2週に一度の病院通い、おかげで徐々に膝の調子は回復してきた(杖をつかずに歩いている)。
年寄りが集まれば病気の話、とはよく言われることだが、このブログも例外ではない。あちこちの病院の診察券だけが増えていく。ヤレヤレ…。
そういえば、朝日新聞の紙面を見ても、「膝の痛みに〇〇錠」「認知症予防に○○を」とか、高齢者向けのサプリメント類の広告がやたら目立つ。そして、そうした広告に目を留めている自分に気づくのである。新聞の購読者層も高齢者が多いだろうから(若い人たちはスマホですませているだろう)、現高齢世代とともに紙媒体の新聞もやがて消えていくのだろうか? そんなことをわが身に重ねて思ったりもする。
さて、身体の不調は精神の状態にも少なからず影響を及ぼすようで、この数か月のあいだ、難しい本の類を読む気力もなくなって、なんとなく少年期や青年期に耳にした歌をYouTubeで聴き直していることが多かった。
たとえば、坂本九さんの「明日があるさ」(1963年)…。
私が中学2年から3年にかけての頃によくラジオから流れてきた歌だ。出だしの「いつもの駅でいつも会う セーラー服のおさげ髪 もう来る頃 もう来る頃 今日も待ちぼうけ」(作詞:青島幸男)には、その当時、思い当たることもあって、口ずさんでいたことを思い出す。
そして、60年後のいま、聴きなおしてみると、「九ちゃん」の歌唱だけでなく、楽曲の構成にもあらためて感心させられた。途中転調していく三部構成、そのつどジャズバンドの踊るようなスウィング感が高まり、ベースもアップテンポに走り出す…。こんな凝った曲だったのか! さすがジャズ畑を歩んできた中村八大さんの作曲だ。何度聴いても心地よい。そして、九ちゃんの優しく、それでいてスウィング感いっぱいの歌唱がすばらしい(カバー曲にはこれがない)。いやはや、まいった、まいった。
この老人にだって、「明日があるさ」と励まされた。
ところで、中村八大さんは1931年生まれ、青島幸男さんは1932年生まれ、そして九ちゃんは1941年生まれ。みな、戦争の時代、あるいは敗戦後の変革(混乱)期を体験した人たちだ。外国でも大ヒットした「上を向いて歩こう」もそうだが(作詞:永六輔、1933年生まれ、作曲:中村八大)、歌の「源泉」がどこにあったのかを考えさせられもした。
八大さんも、青島さんも、永さんも、そして九ちゃんも、みんなあの世で語り合い、冗談言って笑い合っているかなあ。そうだといいなあ…。
(つづく)
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