ある戦争体験者の「遺言」 死者たちへの約束(2)

アジア太平洋戦争の末期にあたる1944年から米空軍による日本爆撃が始まっていたが、45年に入ると日本の各都市への「本格的」な無差別爆撃がくり返しおこなわれるようになる。そのひとつに、3月9日夜から翌10日未明にかけての「東京大空襲」があった(この記事を書いている日は、たまたま77年後の3月9日)。B‐29、300機の大編隊による空襲で、東京の本所深川方面(江東区・墨田区・台東区)が壊滅的被害にあった。死者は10万人をこえたという。

その空襲を子どもの頃、体験した「平澤健二さん」(1935年2月生まれ、呉服店経営、現87歳)が、「この国の今と未来を生きる皆様へ 『敗戦』から70余年」と題して、先月、YouTubeでお話を公開されている(↓)

25分のお話しの終りのほうで、平澤さんは、きっぱりと、つぎのように話された。

…人の生き死には一生に一度です。一生に一度のメッセージが出せないまま、無念のまま死んだ人を私たちは(敗戦後)70何年間か、放っぽりぱなしじゃないですか。……東京大空襲はターニングポイントだったと思います。そこで(45年3月時点で)なぜ、(「天皇様」は)戦いをやめる決断をなさならなかったのか。それは、なんとしても合点がいきません。…」

全部を聞くお時間のないかたは、よければ、20:40あたりからの、チャプター「この国への『遺言』」以下、5分くらいのお話だけでもお聞きになってみてください。



(つづく)


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